従業員 各位
日頃のご精勤に心より感謝申し上げます。
12月度の衛生委員会の資料になります。
12月度のテーマは「温活について」です。
皆様に置かれましては、是非とも健康に留意いただき、
業務に努めていただきたいと考えております。
ご安全に!!
令和2年12月度
衛生委員会資料
産業医 北村 香奈
いよいよ12月、寒い季節の到来です。今年はインフルエンザや風邪予防だけでなく、コロナ対策も必須です。
そんな中、最近よく耳にする温活についてお話ししたいと思います。というのも、温活によって免疫アップ効果が期待されるからです!温活とは、その名の通り、「体を温めるための活動」です。温活で目指すのは、体温を適度な状態に上げ、冷えの改善、健康面や美容面にさまざまな良い影響をもたらすことです。
ではなぜ今、温活なのか。それは低体温の方が増えているからです。低体温の原因は、以下のような現代の生活習慣が関連していると考えられます。
・運動不足による筋肉量の減少
筋肉量が低下すると、エネルギー消費も減少し、熱を作り出す力が落ちてしまいます。乗り物や家電が充実した現代は、その便利さゆえ日常的な運動不足を招きがちです。その結果、筋肉量は減少し、体温が十分に上がらない状態(低体温)になっていると考えられます。 さらにこのコロナ禍で外出自粛などありますます運動不足になっているのが現状です。
・食生活の変化による体の冷え
かつての日本では、煮物や味噌汁といった温かい料理やその時期の旬の食べ物が多く食べられていました。しかし、現代では、トマトやきゅうりなど、体を冷やしやすい生野菜(本来は旬の夏に食べて体亜を冷やす食べ物)が一年を通して食べられるようになったり、カフェインの入った飲み物や冷たい飲み物が通年で飲まれるようになったりするなど、以前よりも体を冷やしやすい食生活に変化しました。このような食習慣も、体の冷えや低体温の原因のひとつになっていると言えるでしょう。
ではなぜ、体が冷えているとダメなのでしょうか。体が冷えていると、以下のような不調が生じやすくなります。
・血行が悪化しやすい
血行の悪化により、必要な栄養素が体のすみずみまで届かなくなったり、不要な老廃物を排出できなくなる。
・免疫力が落ちやすい
人の身体は体温が1℃下がると免疫力が30%落ちると言われています!
・代謝が落ちやすい
体温が下がると、代謝量も低下し、脂肪燃焼がしづらくなって太りやすくなります。
・便秘やむくみになりやすい
体の冷えによって便秘やむくみといった悩みも出やすくなります。
そこで温活の登場です!温活で体を温めることで、以下のような効果が期待できます。
・ウイルスに対する抵抗力が高まる
温活によって体温を上げることで免疫力アップにつながり、ウイルスなどに対する抵抗力が高まるとされています。乾燥と寒さで秋冬シーズンに流行するウィルス疾患を予防するために、規則正しい生活・栄養バランスのとれた食事・適度な運動などとともに温活を意識してみましょう。
・代謝が上がるので、太りにくく痩せやすい体作りにつながる
温活によって代謝がアップすると、エネルギー消費量も多くなります。その結果、太りにくく痩せやすい体づくりにつながります。
・血行が良くなり、肩こりなどの改善につながる
体が冷えていると血行が滞り、筋肉も凝り固まってしまいます。体を温めることで血行を促進すれば、筋肉がほぐれ、肩こりなどの改善が期待できます。
それでは具体的な温活について説明していきます。
食べ物
根菜類や生姜など、秋~冬が旬の野菜は体を温める作用に優れているので、積極的に食べましょう。温かい料理や常温またはホットの飲み物を口にするようにしましょう。なお、温かいと言っても、カフェインは低体温を招く原因になると言われているため、コーヒーや紅茶・緑茶など、カフェインを多く含む飲み物の摂りすぎには注意しましょう。唐辛子、ネギ、ニンニクなどを積極的に取っていきましょう!豆知識ですが、生姜を一度加熱してから食べるとより体を温める効果が上がるそうです。めんどくさいかもしれませんがお試しを!
生の生姜にはジンゲロールが含まれていますが、生姜を加熱することでショウガオールという成分が増加します。「ショウガオールの、体を芯から温める作用は、ジンゲロールよりも強力。脂肪を燃やしやすくする作用もある」といわれています。そのショウガオールを増やすのに最適な条件が、「80℃で3時間の加熱」。「80℃ショウガ」の作り方は意外と簡単! 保温水筒にショウガと熱湯を入れておくだけ。鍋でまとめて作るなら、沸騰後にごく弱火に保つだけでOK。ちなみに、漢方でも「温め効果は、生のショウガを乾燥させた生姜(ショウキョウ)よりも、湯通ししたり蒸したりして乾燥させた乾姜(カンキョウ)の方が強い」とのこと。
運動 運動は温活において非常に重要です。運動すると血流が促進され、体温が上昇し、多くの熱エネルギーを生み出すからです。一説では、体が生み出す1日の熱エネルギーの約6割は、筋肉を動かすこと、つまり運動によって生み出されるとも言われています。
運動としておすすめなのは、「ウォーキング」です。人間の筋肉の約3分の2は下半身に集まっているため、下半身の筋肉を動かすことによって効率的に体温を上げることができます。ウォーキングなら運動習慣がない方でも始めやすいのではないでしょうか。慣れてきたらヨガ・筋トレなども実践してみましょう。
入浴 入浴は体温を上げる最も手軽な方法です。じんわり汗が出る程度の入浴は、体温を1℃前後アップさせると言われています。また、体温が上がると血流が良くなるため、老廃物も排出されやすくなります。さらに、水圧によって体の末端の血流やリンパに圧力がかかるので、むくみを解消しやすくなると言われています。また、足の裏にはリンパ腺やツボが集中して存在しているので、足湯を取り入れるのも効果的です。足湯をすると、下半身から上半身がじわじわと温まるのを感じることができます。お湯にアロマを加えると、良い香りでリラックス効果も得られます。
温活グッズ
・カイロの活用 おへそ部分にカイロを貼ると、お腹から上半身、下半身に向かって温熱が伝わり、体全体が温まります。
・インナー、靴下など身につけるものを活用する
身体を冷えから守るには、衣類で工夫することも大切です。インナーや靴下などのアイテムをより温かいものに変更しましょう。また、内臓を冷えから守るには、腹巻の利用が最適です。暖かいインナーや靴下に合わせて、腹巻を利用して体を保温しましょう。
この冬を健康に乗り切るため、温活、意識するようになさってください!