従業員 各位
日頃のご精勤に心より感謝申し上げます。
9月度の衛生委員会の資料になります。
9月度のテーマは「夏バテの原因と対策について」です。
皆様に置かれましては、是非とも健康に留意いただき、
業務に努めていただきたいと考えております。
ご安全に!!
令和2年9月度
衛生委員会資料
産業医 北村 香奈
暑さのピークは過ぎたようですが、まだまだ残暑は続きそうですね。
そんなとき、心配になってくるのが気づかないうちに起こる夏バテです。
今回は、夏バテの原因と対処法についてお話しさせていただこうと思います。
夏バテの主な原因は?
①自律神経の乱れ →②胃腸の働きの低下→ ③体力の低下
人間の体は、高温多湿な状態におかれると、
体温を一定に保つためにエネルギーを消費します。
それが体にとって大きな負担になり、長く続くといろいろな不調があらわれてきます。
体温調整をするのは自律神経ですが、
高温多湿から急に屋内のエアコンの効いた冷えた環境に入った時も
自律神経がその環境に合わせようと働きます。
暑さにも冷えにも対応し続け調整に疲れてくると自律神経の働きが乱れてきます。
すると、自律神経によって調整されている胃腸も働きが低下して食欲が落ちてしまいます。
食欲低下により必要なエネルギーがとれなくなり、体力が低下し日常生活全般が困難になります。
この経過が、夏バテ、なのです。
では、夏バテにならないためにはどういうことに気をつければいいのでしょう。
夏バテ予防
- 睡眠をしっかり取る
自律神経系の中枢は脳にあります。脳の疲労回復の基本は睡眠です。
昼寝もよいですが、基本的には夜6時間以上の睡眠を確保するようにしましょう。
暑くて寝苦しい夜は、エアコンのお休みモードを上手に活用して部屋の温度を適温に調整しましょう。
冷房の温度は外気温との差を5~6度以内にし、除湿(ドライ)など上手に活用しましょう。
また寝つきを悪くするスマホやパソコンのブルーライトは眠る1時間以上前から見ない、
熟睡を阻害するアルコールは寝る直前に飲まないなど、
睡眠準備もしっかりして質の良い睡眠を取るようにしましょう。
- ビタミン、タンパク質、ミネラルを積極的に取りましょう
暑い夏はどうしても食欲が落ち、冷やしうどん、冷やし中華、ざるそばなどの炭水化物に偏りがちです。
炭水化物は人間のエネルギー源です。体力が低下している夏バテには有効ですが、
炭水化物だけではエネルギーには変わりません。
そこで炭水化物をエネルギーに変える「ビタミンB1、B2」 が必要になります。
また、疲労回復に作用のある「クエン酸」も大切です。
・ビタミンB1、B2を多く含む食品 ・豚肉(特にもも肉、ヒレ肉)
・レバー、枝豆、納豆、豆腐、玄米など ・クエン酸を多く含む食品
・酢 ・ゆず ・レモン ・梅干しなど を意識して取るようにしてみてください。
汗をかきすぎると塩分が失われるのはよく言われることですね。
そこでついつい塩分を意識してとってしまいますが、
それだけだと血圧が上がったり心配な点も。
そこで、カリウム、マグネシウムなど野菜に多く含まれるミネラルも一緒に取るようにしてください。
- 外界との温度差に注意
夏バテの原因は自律神経の疲れ、とお伝えしましたが、
外界と屋内の温度差が高いと自律神経は反応するのにとても疲れてしまいます。
ですから、屋内の温度を下げ過ぎないよう気を付けましょう。
27度くらいがベターです。
暑がりの人は扇風機を併用するなどしてうまく同じ温度下で
みなさんが快適に働けるように工夫してみてください。
- リラックスの習慣を
しつこいようですが、夏バテ予防には自律神経を健康に維持できるか、が重要です。
自律神経失調症という病名を聞いたことがおありかと思いますが、
ストレスが高くなって睡眠も満足に取れない状況が続くと
自律神経が不安定になっていろんな症状が出てくる状態です。
つまり、自律神経が安定するにはストレスケアが重要ということになります。
ストレスは働いていると多かれ少なかれあるものですが、
それをなるべく早く解消しておくことが大切です。
酷暑の中でストレスも溜まるとたちまち夏バテ症状を起こしてしまいます。
しっかり睡眠をとり、自分の時間を確保してゆったりするようにしてください。
温暖化の中で夏バテは深刻な問題です。
できるだけセルフケアを行っていただき、
暑い中でも健康に働いていただければと思います。