2024年12月度 衛生委員会からのお知らせ

従業員 各位

日頃のご精勤に心より感謝申し上げます。

12月度の衛生委員会の資料になります。

12月度のテーマは「マイコプラズマ肺炎」です。

皆様に置かれましては、是非とも健康に留意いただき、

業務に努めていただきたいと考えております。

ご安全に!!

2024年12月度

衛生委員会資料

産業医 北村 香奈

 

私たちが健康を維持するために理想的な体温は、36.5~37度といわれています。ご自身の平熱は何度かご存じでしょうか。温活とは、体を冷やさないようにするとともに温めて、冷えを改善するための活動を指しますが、その理想的な体温まで上げることも、ひとつの目安になります。現代の日本人の基礎体温は、低い傾向があるといわれているので、温活を意識して理想的な体温を維持し、風邪などに強い体づくりを目指しましょう。 

  • まずは、運動して筋肉量を増やしましょう!

現代の日本人の基礎体温が低下した原因のひとつとして考えられるのが、交通機関の発達。交通機関が発達したことで運動量が減り、筋肉量が低下している可能性が考えられます。筋肉は体の熱の約4割を産生するので、体を動かし、筋肉量を増やすよう心がけましょう。ただ、急に筋肉量を大きく増やそうと、無理なトレーニングを行うと、かえって体を壊すことにもつながるため、それよりも、たくさん歩いたり、階段を昇ったり、日常的な運動量を多くすることで筋肉量を少しずつ増やして維持することが大切です。

 

<冷えたときにできる筋肉ストレッチ>

冷え症の人は、じっとしている時間が続くと、筋肉がこわばり、手足の末端まで血液が届きにくくなります。座ったままの仕事中でも、身動きできない電車の中でも、ストレッチはできます。こわばった筋肉を伸ばすと、筋肉がポンプの役割となって、体の末端まで血流を促し、血行不良により冷えていた手足が温まります。

足全体の冷えに! 座ったままストレッチ

-太ももふくらはぎエクササイズ-
太ももには足先から心臓に戻る血液を送り出す筋肉があります。この筋肉が衰えると血行が悪くなり、足全体の冷えにもつながります。オフィスで冷えたとき、机の下でこのエクササイズをこっそり実践してみてください。

  1. 椅子に座り、片足をまっすぐに前に伸ばし、つま先を手前に引いてかかとを突き出します。ふくらはぎを伸ばした状態で15秒静止。
  2. 次に、つま先を遠くへ伸ばし、そのまま15秒程度静止します。
  3. 1と2を交互に繰り返しましょう。

 

足もとの冷えに! 立ったままストレッチ

-かかとの上げ下げエクササイズ-
ふくらはぎの筋肉も心臓に戻る血液を送り出すポンプの役割を果たしています。電車に乗っているとき、キッチンに立っているとき、歯磨きしながら、実践すれば、温かくなるだけでなく、ふくらはぎの引き締め効果もあります。

  1. つま先立ちでふくらはぎに負荷を感じるところで15秒程度静止します。
  2. 地面にかかとを降ろして、しばらく休みます。
  3. 1と2を交互に繰り返しましょう。

手の指先の冷えに! 話をしながら筋肉ほぐし

手のひらのもみほぐし…カフェで話をしているときや打合せで話を聞いているときは、目立ったストレッチはできないもの。そんなときは冷えてこわばった手指のもみほぐしがおすすめです。

  1. 手のひらの真ん中を上下にもみほぐします。
  2. 親指の付け根を内側にもみほぐします。
  3. 小指の付け根を上に向かってもみほぐします。
  4. 1から3を30秒で左右繰り返しましょう。

 

手の指先の冷えに! ひざの上でグーパー

机やテーブルの下で、グーパーを繰り返すのも冷え解消のひとつです。

  1. 親指を包み込むよう中に入れてギュッと握ってグー。
  2. 指を反るほどに大きく開いてパー。
  3. これを何度も繰り返しましょう。
  • 冷たい飲み物は控えましょう

ついつい冷蔵庫から飲み物を取り出しがちかと思いますが、冷蔵庫の冷蔵室の温度の目安は約2~6度です。つまり、体温より30度以上も温度の低いものをとり入れて、体の内側から冷やしていることになります。冷えを遠ざけるには、冷たい飲み物を控えることが大切です。基本的には、常温もしくは温かい飲み物をこまめにとるようにします。そして、冷たい物を飲んだら次は温かい飲み物を選ぶなど、体を内側から冷やさないよう心がけましょう。

  • 衣服の選び方

冷え症の方が心がけたい衣服のポイントは、3つの首=手首・足首・首元を冷やさないこと。3つの首を冷えから守って、巡りのよい体を整えましょう。

 

手首は冷えやすい!

3つの首のなかでも、手首は血管が集中しているのに皮膚が薄いため、冷えやすいパーツです。デスクワークなど同じ姿勢をしていると、血流が悪くなって、冷え症が進んでしまいます。アームカバーやアームウォーマーを活用し、冷えを感じやすい手の甲から腕まで覆って冷えないようにしましょう。

 

首の冷えは全身に広がりやすい!

外気にさらされることの多い首は、太い血管が肌のすぐ下に通っているため、首が冷えるとその冷えが全身に広がりやすくなります。また、首には自律神経が集中しているため、首を暖かくすることで、体のリラックスに関与する副交感神経が活性化されます。そのため首温活をすることで、冷えや寒暖差疲労をやわらげ、心も体もリラックスできるのです。季節の変わり目などもストールを持ち歩いて、首を冷やさないようにしましょう。

 

足の冷えは血流が滞っている証拠!

心臓から遠く、体の末端にある足は、もともと冷えやすい部位。とくにデスクワークが中心の仕事をしている人は、下半身の血流が滞り、冷えやすい傾向があります。座りっぱなしで姿勢がくずれてきたり、疲労や倦怠感を感じたりしたら、思い切って席を立って少しでも体を動かし、血流が悪くなった状態を放置しないようにしましょう。また、素足を避けてストッキングやタイツ、靴下を履き、それでも冷えを感じたときにいつでも手軽に対策ができるよう、レッグウォーマーを常備しておくのもよいですね。最近は靴の中に入れるカイロなどもあるのでうまく活用しましょう。

 

  • 睡眠のとり方

私たちの体には、朝に目覚め、夜に眠るという睡眠リズムが備わっています。しかし、何らかの原因でこのリズムが狂ってしまい、「眠れない」状況が続くことがあります。それが、ストレスなどによる不安感やイライラが原因になっている場合もあれば、冷え症(冷え性)から起きている場合もあります。冷えは眠りを妨げる原因にもなります。ぐっすり眠るために、温活に取り組みましょう。

人は末梢血管を拡張させて体温を放出し、深部体温を下げることで眠りが得られます。
冷えが眠りを妨げている原因なら、ストレッチやホットドリンク、入浴(ちゃんと湯船につかりましょう!)などで血流を良くし、体を温める習慣をつけることで、寝つきが良くなる場合があります。心配ごとや、イライラがあるときも、温活に取り組むことで、気持ちをうまくリセットできる場合もあります。満足できる睡眠時間や睡眠の質が得られない状態をそのままにせず、症状をやわらげるようセルフケアを行うことが大切です。

  • 食事のとり方

冷えに負けない体をつくるには、バランスの良い食事を心がけることが大切です。バランスの良い食事とは、適正なエネルギー量で、体に必要な栄養素を十分に摂取できる食事のことです。基本となる栄養素である、糖質、脂質、たんぱく質、ビタミン、ミネラルのほか、食物繊維なども必要です。肉や魚介、豆類、卵からたんぱく質や脂質を、野菜やきのこ、海藻などからビタミンやミネラル、食物繊維を、そして主食のごはんやパンから糖質を摂取します。

これらを1日の食事でさまざまな食材を組み合わせてとるようにしましょう。献立は主菜1品+副菜1~2品、または主菜1品+副菜1品+汁物1品にすると、自然とバランスをとることができます。もし、パンかごはんで迷ったら、ごはんを選びましょう。パンの原料である小麦粉は、体を冷やす性質があります。汁物は、代謝を上げる発酵食品である味噌を使った味噌汁がとくにおすすめです。味噌汁に生姜を擦ったものを入れる、などすればより温まりますよ。このように生姜やニンニク、唐辛子など香辛料もうまく活用して温めましょう。

  • マッサージ

ツボを意識したマッサージも効果的です。冷えだけでなく、足のむくみ、便秘などを改善するツボをご紹介します。ツボの押し方は、ゆっくりと呼吸しながら、心地よいと感じる強さで静かに押して離すという動きを、3回くらい繰り返します。手足の左右にあるツボは、片方ずつ行いましょう。

冷えに

足の内くるぶしの骨から指4本分上にある「三陰交(さんいんこう)」と、足の内くるぶしとアキレス腱の間のくぼみにある「太谿(たいけい)」を押しましょう。血流を良くし、冷えを改善します。

足のむくみに

足をグーになるように力を入れたときに、足裏の一番くぼんだ場所にある「湧泉(ゆうせん)」と、ひざのお皿のすぐ下の外側のくぼみから指幅4本分下にある「足三里(あしさんり)」。「足三里」は松尾芭蕉の『奥の細道』にも登場し、足のむくみや疲れに効くだけでなく、長寿のツボとしても知られています。

便秘に

親指と人さし指の付け根の、人さし指寄りのへこみにある「合谷(ごうこく)」と、手首のしわの小指側のくぼみにある「神門(しんもん)」。どちらも便秘だけでなく、ストレスにも効くとされています。また、「合谷」は眠気覚ましにもおすすめのツボです。仕事中に眠気に襲われたら、ペンでさりげなく押してみてください!

風邪対策

首を前に倒したときに、出っ張る骨から指2本分下の背骨から、指2本分外側の左右2点。ここは「風門(ふうもん)」というツボで、「風邪(ふうじゃ)=かぜの邪気」が入り込む場所とされ、温めることで邪気を追い出すと言われています。「風門」の周辺にカイロを当てて温めると、冷え予防だけでなくかぜの対策にもなります。押して緩めるを繰り返してもいいです。

お腹

おなかは臓器が集中しており、冷えは内臓機能を低下させるので、とくに冷やしたくない場所です。おなかを温めるのに最も有効な「神闕(しんけつ)」は、おへそにあります。次に覚えておきたいツボは、おへその下、指4本分真下にある「関元(かんげん)」。腸の不調や冷え症に効くとされています。おなかのツボは、押すより温めましょう。「神闕」から「関元」を覆うようにカイロを当てるのがおすすめです。


冷えは万病の元と昔から言われています。体温の低下は、さまざまな不調をきたす原因になりえます。健康維持に理想的な体温を意識して過ごし、無理なくできる範囲で、温活に取り組んでみてはいかがでしょうか。

(出典:ツムラヘルスケア製品情報サイト)