従業員 各位
日頃のご精勤に心より感謝申し上げます。
8月度の衛生委員会の資料になります。
8月度のテーマは「熱中症について」です。
皆様に置かれましては、是非とも健康に留意いただき、
業務に努めていただきたいと考えております。
ご安全に!!
2024年8月度
衛生委員会資料
産業医 北村 香奈
今年も!暑いです。熱中症対策については去年も触れましたが、改めてよく理解いただき、この暑さを乗り切っていただきたいので、再度、熱中症についてお伝えしていきたいと思います!
まず今年の政府広報からですが、熱中症を予防するための行動を理解、実践し、日頃から熱中症に対する備えを万全にしましょう、ということで、令和6年(2024年)4月から熱中症特別警戒アラートの運用が始まりました。
熱中症警戒アラートは、危険な暑さが予想される場合に、暑さへの「気付き」を促し熱中症への警戒を呼びかけるものです。熱中症の危険性が極めて高くなると予想される日の前日17時頃又は当日朝5時頃の1日2回発表されます。令和6年(2024年)4月からは、熱中症警戒アラートの一段上の熱中症特別警戒アラートが新たに創設されました。熱中症に関する情報は、ニュースや天気予報、環境省及び気象庁のサイトなどで確認し、適切な熱中症予防行動をとりましょう。
以下、基本情報、改めて確認していきましょう!
1,熱中症とは
〇症状と重症度
熱中症とは、体温が上がり、体内の水分や塩分のバランスが崩れたり、体温の調節機能が働かくなったりして、体温の上昇やめまい、けいれん、頭痛などの症状を起こす病気のこと。
重症度によって、次の3つの段階に分けられます。
〇熱中症はどのようにして起こるのか? 「環境」と「からだ」と「行動」によるものが考えられます。
環境
からだ
行動
→これらの三つの要因により、体のバランスが破綻し、汗や皮膚温度で体温が調整できず体温が異常に上昇し、熱中症になるのです。
2,予防の7つのポイント
1.こまめな水分補給
汗をかき、自分でも知らないうちに体内の水分が失われているため、のどが渇く前から こまめに水分を補給しましょう。(ミネラルも補給、とよく言われますが、それについては脱水症に陥る前の予防段階ではあまり意識しなくて良いです。日本人は食事でしっかり塩分を摂っているからです)
水分補給に適した飲料:麦茶、スポーツ飲料(糖分が多いため飲み過ぎには注意が必要)
水分補給として適さない飲料:コーヒーや緑茶(カフェインを含む)、アルコール類 ⇒利尿作用があるため
熱中症の危険が高いと言われているような日には、少なくとも30分に一度のペースで200mlの適切な水分を摂るようにしましょう。
2.暑さを避ける
屋外:日陰を歩く/日陰の所から作業する/帽子や日傘を使う
屋内:ブラインド・すだれで直射日光を遮る/扇風機やエアコンで室温・湿度調整
3.服装を工夫
外からの熱の吸収を抑え、体内の熱をスムーズに逃がす服装が理想。素材は、吸収性・通気性の高い綿や麻などが〇。また、熱がこもらないよう、襟ぐりや袖口があいたデザインもおすすめです。薄着のほうが涼しいとはいえ、インナーを着たほうが肌とインナー、インナーとアウターの間に空気の層ができ、外からの熱気を遮断してくれます!屋外作業時はクールジャケット等の透湿性・通気性の良い服装、特に直射日光下では、通気性の良い帽子(クールヘルメット)などの着用を推奨。
4.暑さに備えた体作り
ウォーキングやランニングなどの運動で汗をかく習慣を身につけることも、大事な予防法の一つです。日頃から暑さに身体を慣らしておきましょう。
ニュースで熱中症の話題でインタビューされる街の人たちも、屋内がクーラー効きすぎててそのギャップでより暑く感じます、と答えているのをよく聞きます。そのような場合も暑さにならしておけば体がうまく反応してくれるようになるはずです。
☆暑熱順化(暑さに慣れる)については5月にお伝えしましたね!準備していただけましたか??
ポイントは、汗をかくことでしたね。中断すると4日ほどで徐々に効果が薄まり、3~4週間後には完全に失われるため、長期休暇後などは注意が必要です。
日常生活の中で無理のない範囲で汗をかくようにしてみましょう。数日から2週間ほど続けてみましょう。歩く、自転車、ヨガ、筋トレなどを30分ずつできるだけ毎日行いましょう。入浴やサウナでもいいですよ。
5.作業時間の短縮
暑さや作業の状況・内容などに応じて、休憩時間をこまめに確保する必要があります。その都度、水分を補給したり、身体を冷却するようにしましょう。 高温多湿場所での連続作業時間の短縮、身体作業強度(代謝率レベル)が高い作業を避けること、状況や時間帯に合わせた作業場所の変更を検討することも大事です。
6.日常の健康管理
睡眠不足、体調不良、前日の飲酒、朝食の未摂取、熱や下痢などによる脱水などは、熱中症の発症に影響を与えるおそれがあります。※生活習慣病・うつ病・不眠症の治療をしている人は薬の作用で心身機能が低下し発汗抑制・脱水症状のリスクがあるため特に注意が必要です
7.熱中症アラートの活用
暑さ指数の値が33以上と予測された場合、前日夕方(17時頃)、または当日早朝(5時頃)に都道府県ごとに、テレビ・ラジオ・防災無線・SNSを通じて発信されます。発表内容には、暑さ指数の予測値や予想最高気温の値だけでなく、具体的に取るべき熱中症予防行動も含まれていることが特徴です。夕方に発表された場合、状況次第で翌日の作業の見直しの検討をしましょう。
〇セルフチェック
■予防のためのセルフチェック表
■脱水症セルフチェック方法
・手の甲の皮膚をつまみ上げて放し、元に戻るのに2秒以上かかれば脱水が疑われます。
・尿の色がいつもと違って濃いな、と思ったら隠れ脱水かも。気をつけて見るようにしてください。
以下の症状にも注意!☆熱中症が疑われる症状が見られたら、すぐに作業を中止して、119番!!
3, 熱中症の応急処置
1.涼しい環境に移す 風通しの良い日陰や、クーラーが効いている室内へ。
2.脱衣と冷却 衣類を脱がせ、体内の熱を外に出します。さらに、露出させた皮膚に水をかけ、うちわや扇風機などで仰いだり、氷嚢で首やわきの下、太ももの付け根を冷やし、体温を下げます。とにかく全身を急速冷却!
3.水分と塩分を補給する 冷たい水、特に塩分も同時に補える経口補水液やスポーツ飲料などを。ただし、意識障害がある場合は水分が気道に流れ込む可能性があります。また、吐き気や嘔吐の症状がある場合には、すでに胃腸の動きが鈍っていると考えられるので、口から水分を入れることは避けましょう。
熱中症対策、覚えていらっしゃいましたか?毎年同じことを言っている、と思われるかもしれませんが、自分は大丈夫、と過信せず、今や誰がなってもおかしくない熱中症の予防、しっかりしていきましょう!