従業員 各位
日頃のご精勤に心より感謝申し上げます。
3月度の衛生委員会の資料になります。
3月度のテーマは「花粉について」です。
皆様に置かれましては、是非とも健康に留意いただき、
業務に努めていただきたいと考えております。
ご安全に!!
2024年3月度
衛生委員会資料
産業医 北村 香奈
今年もやってきましたね、花粉の季節。暖冬のせいで少し早めに飛び出している、とのこと。
花粉症対策は万全でしょうか?早めに飛び出しているので今からでは遅い?ということはありません。しっかり対策していきましょう。
「今日2月29日は西から雨の範囲が広がります。ただ、雨が降りだす前は花粉が飛ぶでしょう。花粉の飛散量は九州北部や中国地方、四国、北陸は「多い」、近畿や東海、関東甲信は「非常に多い」見込みです。花粉症の方は、油断せずに対策をなさってください。」
本日の気象ニュースはこんな感じ。雨でも油断しちゃダメ、なのです。私は雨の降る前が一番花粉を感じます。それではセルフケアや薬の使い方についてお話ししていきたいと思います。
一般的な対策はこんな感じですね。
ではもう少し詳しく対策を考えていきます。
■外出時の花粉症対策
・花粉情報をチェック:花粉が多く飛びやすい条件は、晴れや曇り、気温が高い、湿度が低い、やや強い南風が吹き北風に変化、前日が雨の日などです。花粉対策を十分にして出かけましょう。
・午後1~3時の外出は控えめに:花粉飛散が多いのは、午後1時~3時頃です。その時間帯の外出をなるべく控えるだけでも違います。
・外出時は防備して:メガネ、マスクでかなり防げます。さらにできればマフラーをつけ、コートはツルツルした花粉がつきにくい素材にします。髪の毛にもつきやすいので、帽子などで防御しましょう。
・玄関でシャットアウト:衣服やペットについた花粉は、玄関外で十分に払ってから、玄関を開ける習慣を。玄関に粘着テープのコロコロを置いておくのもお勧め。
■家の中での花粉症対策
・窓を閉める:花粉の飛散が多いときは、窓を開けないでシャットアウトしましょう。換気をするときには、花粉がやってくる前の早朝か夜に。網戸やカーテンを閉めたままで。
・掃除はこまめに:掃除機はこまめに。フローリングは、拭き掃除も。
・洗濯物や布団は外に干さない:洗濯物は部屋干しにします。部屋の加湿にもなって一石二鳥?あまり湿るとカビが生えたりするので掃除はしっかりお願いします。
・空気清浄機と加湿器を使う:リビングなど空気が舞うところには、空気清浄機を。寝室では加湿器を使って湿度を50%程度に保ち、のどや鼻の乾燥を防ぎましょう。
■就寝時の花粉症対策
・入浴で花粉を流す:入浴やシャワーは朝ではなく、花粉の時期は寝る前にしっかりと。花粉をしっかり洗い流してからベッドに入りましょう。
・枕元の花粉を拭き取る:花粉を吸い込まないように、枕まわりをウェットティッシュなどで拭き取ってから寝ましょう。
・加湿をする:室内に漂う花粉は、加湿器で重くして下に落とせます。
■花粉症対策になる生活習慣
・帰宅後は、すぐに洗顔とうがいを:体についた花粉は、すぐに洗い流すことが基本。毎日の習慣にしてください。感染症対策にもなります。
・人工涙液目薬で目を洗う:目のかゆみは、水道水ではなく、防腐剤の入っていない人工涙液という目薬で洗いましょう。
・スギ花粉やヒノキ花粉と関連する食材(トマト)は要注意:スギやヒノキの花粉症の人は花粉とタンパク質が似ているトマトなどを食べると、症状が出ることもありますので、普段から気をつけましょう。
・腸内環境を整える:腸内細菌叢が乱れていると花粉症が悪化する人もいます。腸活は、花粉症予防対策としても有効と言われています。
<最近の花粉症のお薬>
重症者向けの薬「ゾレア」という皮下注射の抗体治療薬があります。非常に効果が高い薬ですが、ゾレアを考える前に、従来からある薬が本当に効かないのかしっかり考えましょう。というのも、ゾレアが必要なほどの重症の方は、全体の10%ほどと言われています。「薬を飲んでいるのに効き目がイマイチ」という方のほとんどが、「薬を正しく使えていない」もしくは「自分に合った薬を選べていない」ようです。
「薬を正しく使えていない」
薬は使い始めて効果が出るまで1週間ほどかかります。そして花粉の飛散期間中は毎日決まった時間に薬を投与し、薬の成分の血中濃度を一定に保つ必要があります。症状が重篤になってから使い始めたのでは、1種類では効き目が弱いかもしれません。
「自分に合った薬を選べていない」
花粉症の薬は種類が多く、それぞれ得意とする症状が異なります。
くしゃみや鼻水がひどい典型的な花粉症には抗ヒスタミン剤。鼻詰まりには抗ロイコトリエン。抗ヒスタミン薬の中にも、鼻詰まりに強い薬もあります。鼻の症状には鼻噴霧用ステロイドも効果的ですし、目のかゆみには点眼薬。すなわち、同じ花粉症でも、人によって「最適解」が異なるのです。また、薬を飲んだりすることが面倒という人には、貼り薬もあるので、検討してみるといいでしょう。花粉症は、治療にたけた耳鼻咽喉科医と協力して真摯に向き合えば、ほとんどつらさを感じずに花粉症シーズンを過ごせます。薬を使ってもなかなか良くならない、という方は改めて医師に相談して自分に合う治療を見つけてください。
花粉症対策に、セルフケアは本当に有効?
花粉症対策にとって、医療的ケアと同様にセルフケアは大切です。効果のある薬を服用しても、花粉が体内に大量に入ってきたら、症状を抑えるのに手こずります。まだ花粉症になっていない人にとっても、花粉が体に入ってこないようにすることで、発症しないようにする予防になります。花粉が体に入ってこないようにする対策は、症状を軽くすることにもつながり、薬の量を減らすことにもなります。まずは、花粉を寄せつけないセルフケアを確実に行いましょう。すでに花粉症の方は、花粉がたくさん飛び始める前、症状を感じ始める前から、お薬を飲み始めるほうが効果的ですよ。
今年も花粉に対して万全の準備で乗り越えましょう!