2023年9月度 衛生委員会からのお知らせ

従業員 各位

日頃のご精勤に心より感謝申し上げます。

9月度の衛生委員会の資料になります。

9月度のテーマは

防災対策について」です。

皆様に置かれましては、是非とも健康に留意いただき、

業務に努めていただきたいと考えております。

ご安全に!!

2023年9月度

衛生委員会資料

産業医 北村 香奈

ここ数年、大規模な災害が頻発していますね。そのため企業でも防災意識が高まってきています。防災マニュアルの配布や、防災用品を備蓄している企業もありますが、こちらではどうでしょうか。避難訓練も大事ですが行われていますか?ちゃんと参加していますか?避難経路や避難場所の確認など、自分で防災対策をしておくこともとっても大切です。防災対策について、会社で必要なこと、各自で必要なこと、などお伝えしたいと思います。

 

基本的な事前準備

避難経路・避難場所の確認

職場の避難経路や避難場所をチェックしておくことは非常に重要です。職場のある自治体のホームページを確認するなど、自衛策を講じておきましょう。災害時はスマホが使えなくなるケースもありますから、避難用の地図もプリントアウトしてバッグやデスクに入れておきましょう。

公衆電話の場所

災害時は停電などの影響によってスマホが使えなくなり、連絡手段が断たれてしまうことがあります。公衆電話は災害時でも停電や通信制限の影響を受けることなく使用できます。職場の近くにある公衆電話の位置を確認し、小銭やテレフォンカードを用意しておきましょう。

 

防災対策!個人で最低限必要なグッズは?

東日本大震災では、鉄道等の交通機関がストップし、自宅に帰れない帰宅難民が続出しました。大規模な災害が発生したら、職場や避難所に何日も宿泊する可能性があります。とはいえ、職場に私物を置けるスペースは限られていますから、たくさんの防災用品を置いておくのは難しいかもしれません。最低限必要なものを考え、用意しておきましょう。

食料品・飲料水:3日分を基本に

お湯があればインスタント食品やレトルト食品が便利ですが、災害時は電気や火が使えなくなる可能性が高いです。温めずに食べられるレトルト食品、栄養補助食品、ゼリー飲料、缶詰など、そのまま食べられるものを用意してましょう。

スマホの充電器

スマホ充電器やモバイルバッテリーは、災害時は特に重要となる必需品です。停電時も使用できるように、乾電池式の充電器と予備の乾電池を用意しておきましょう。

懐中電灯

懐中電灯やランタンなど、電池で明かりを灯すことができるものが必要になります。ヘッドライトタイプの懐中電灯を用意しておくと、避難時や移動時も両手が自由になるので便利です。

その他

ブランケット、簡易トイレ、ラジオ、お泊まりセット(洗顔用具、下着、メガネ、コンタクト、薬、生理用品)などがあると、何日か会社に泊まることになっても安心です。また、建物が倒壊したりすると、周囲に声が届かなくなります。ホイッスルを用意しておくと助けを求めることをできるので、いざというときに役に立ちます。

災害で電車がストップ!徒歩で帰宅することになったら…

徒歩で帰宅することになった場合や、避難場所まで移動するときに必要となる防災用品も考えておきましょう。

帰宅支援マップ

各地方自治体ホームページなどに、主要な帰宅経路や広域避難場所・一時避難場所などを明記した帰宅支援マップが掲載されていたり、ダウンロードできたりする場合があります。こうしたものを入手しておくと避難するときに安心です。

スニーカー

地震や台風の際は、瓦礫や割れたガラスなど危険なものが道路に散乱します。通勤時にヒールのある靴をはいている人は、履き慣れたスニーカーを用意しておきましょう。(家ではベッドの傍にも置いておきましょう)

マスク

災害時は、建物の倒壊等によってアスベストなどの有害物質や粉塵が空気中に舞っている場合があります。感染症を予防するためにもマスクは必需品です。

現金

大規模な停電が発生すると、キャッシュレス決済ができなくなります。ATMも使用できなくなり、機械の中の現金がなくなってしまうこともあります。災害に備え、現金を用意しておきましょう。

雨具

豪雨や台風に備えて用意しておきたいのは、防災用レインコートです。おすすめなのは上下セパレートタイプです。上着とズボンがセットになっているため、大雨の中で移動しても下半身が濡れません。浸水などしている状況では長靴よりスニーカーの方が水が入り込まずいいですよ。

チャック付きのビニール袋

豪雨や台風の際は、荷物が濡れることがあります。チャック付きのビニール袋を用意して、スマホやマスクなど、濡れたら困るものはジップロックなどに入れて持ち歩きましょう。

リュック

これらの防災グッズがすべて入るリュックを用意しておくと避難するときに便利です。防災グッズ一式がセットになった「防災リュック」と呼ばれる商品も市販されています。

その他

帽子とタオルを用意しておくと、瓦礫などから頭と首を守ることができますし、熱中症対策にもなります。また、冬は寒く、夏は暑いです。携帯カイロや冷却シートがあると安心です。

 

災害時、家族との安否確認

災害が起こって自宅に戻れなくなったときのために、家族との連絡手段や安否確認の方法も考えておきましょう。いざとなってからではなく、今から準備しておくことが大切です。

災害用ダイヤル(171

安否メッセージを登録し、家族などが聞くことができる声の伝言板です。固定電話からでも登録・再生ができるので、スマホや携帯電話に慣れていない高齢者の方も安心して使えます。

災害用伝言板

被災した人の安否確認ができる災害時専用の伝言板を通信キャリア各社が提供しています。登録すると「メール」や「電話」で伝言を届けることができます。

□J-anpi(安否情報まとめて検索)

「電話番号」または「氏名」を入力することで、通信キャリア各社が提供する災害用伝言版、報道機関、企業・団体が提供する安否情報をまとめて一括検索することができます。
https://anpi.jp/info/about.html

 

まとめ

災害に備えて必要な準備は、いろいろあります。職場の防災対策は、その重要なひとつです。デスクやロッカーに置いておける防災用品には限りがありますが、避難経路の確認や非常食、最低限必要な日用品の準備はしておきましょう。また、災害後の仕事にも備えて、データやシステムのバックアップも定期的かつ頻繁に行うようにしましょう。(BCP:事業継続計画)

 

*防災マニュアルと並行してBCPも策定しておこう

災害発生時に冷静な行動を取るために、防災マニュアルの策定は必須です。企業の規模や業種、日々の業務によって防災マニュアルに取り入れるべき内容が異なってくるほか、組織体制や事業内容の変化に合わせて内容を更新していかなければいけないことにも留意して作成していただきたいものです。会社がちゃんと作成して社員に開示しているか確認してくださいね。

なお、人命を守るうえで防災マニュアルは不可欠ですが、企業にとっては事業を守ることも重要です。防災マニュアルを策定すると同時にBCP(事業継続計画)もあわせて策定しておく必要があります。

*災害が起こる前の安全対策も忘れずに!(産業医が職場巡視で点検する内容です)

安全対策のポイント

■棚、OA機器、備品の転倒防止!

建物に被害がない場合でも、備品の落下・転倒はパニックを誘い、避難を妨 げたり、怪我の原因になったりします。

■ガラスの飛散防止!

ガラスの落下・飛散は、思わぬ怪我の原因となります。

■停電時の対策!

懐中電灯だけではなく、発電機や、非常用の電灯(非常用電源、非常用照明 など)を準備しておきましょう。

■整理整頓!

職場の出入口、非常出口の周りに物を置いていないか ・コンセントや電源のコードを床にむき出しで置いていないか ・棚の上を荷物置き場にしていないか ・通路にいらない物、余計なものが置いていないか ・消火器は所定の場所にあるか、消火器の周りに物が置いていないか ・タバコの吸殻はきちんと後始末されているか。

防災対策について、個人で必要な対策、会社として必要な対策についてお伝えしました。いつ起こるかわからない災害です。またいつか、ではなく、防災週間の今、万全の準備をしておいてもらいたいです。その時になって後悔しないように。