2023年8月度 衛生委員会からのお知らせ

従業員 各位

日頃のご精勤に心より感謝申し上げます。

8月度の衛生委員会の資料になります。

8月度のテーマは

熱中症について」です。

皆様に置かれましては、是非とも健康に留意いただき、

業務に努めていただきたいと考えております。

ご安全に!!

2023年8月度

衛生委員会資料

産業医 北村 香奈

つい最近、大阪府枚方市で脅威の398度の気温が発表されましたね。今年はまだまだこの暑さが続きそうです。社員さんの中でもひょっとしたら熱中症だったのかも、という体調不良を訴えられる方が出てきています。そこで、改めて、理解し、しっかり予防していただきたいと思い、今回は熱中症についてお伝えしたいと思います。

1,熱中症とは

〇症状と重症度

熱中症とは、体温が上がり、体内の水分や塩分のバランスが崩れたり、体温の調節機能が働かくなったりして、体温の上昇やめまい、けいれん、頭痛などの症状を起こす病気のこと。

重症度によって、次の3つの段階に分けられます。

 

大阪府の報告ですが、

死亡者数のピークは梅雨明け時期に大きく影響を受ける。

2022年、死因が熱中症と診断された例は76例であり、監察医事務所で過去最高の死亡者数であった。

とあります。死亡者は高齢者が多いとはいえ、独居ではなかった、という情報もあります。だれにでも可能性がある死亡の危険のある熱中症について、しっかり予防していきましょう。

 

〇熱中症はどのようにして起こるのか?

 

熱中症を引き起こす条件は「環境」「からだ」「行動」によるものが考えられます。

環境

からだ

行動

→これらの三つの要因により、体のバランスが破綻し、汗や皮膚温度で体温が調整できず体温が異常に上昇し、熱中症になるのです。

 

2,予防するには:予防のために7つのポイントがあります

 

1.こまめな水分補給

 

汗をかき、自分でも知らないうちに体内の水分が失われているため、のどが渇く前から こまめに水分を補給しましょう。(ミネラルも補給、とよく言われますが、それについては脱水症に陥る前の予防段階ではあまり意識しなくて良いです。日本人は食事でしっかり塩分を摂っているからです)

水分補給に適した飲料:麦茶、スポーツ飲料(糖分が多いため飲み過ぎには注意が必要)

水分補給として適さない飲料:コーヒーや緑茶(カフェインを含む)、アルコール類 利尿作用があるため

熱中症の危険が高いと言われているような日には、少なくとも30分に一度のペースで200mlの適切な水分を摂るようにしましょう。

 

2.暑さを避ける

 

屋外:日陰を歩く/日陰の所から作業する/帽子や日傘を使う

屋内:ブラインド・すだれで直射日光を遮る/扇風機やエアコンで室温・湿度調整

 

3.服装を工夫


外からの熱の吸収を抑え、体内の熱をスムーズに逃がす服装が理想。素材は、吸収性・通気性の高い綿や麻などが〇。また、熱がこもらないよう、襟ぐりや袖口があいたデザインもおすすめです。薄着のほうが涼しいとはいえ、インナーを着たほうが肌とインナー、インナーとアウターの間に空気の層ができ、外からの熱気を遮断してくれます!屋外作業時はクールジャケット等の透湿性・通気性の良い服装、特に直射日光下では、通気性の良い帽子(クールヘルメット)などの着用を推奨。

 

4.暑さに備えた体作り

 

ウォーキングやランニングなどの運動で汗をかく習慣を身につけることも、大事な予防法の一つです。日頃から暑さに身体を慣らしておきましょう。

ニュースで熱中症の話題でインタビューされる街の人たちも、屋内がクーラー効きすぎててそのギャップでより暑く感じます、と答えているのをよく聞きます。そのような場合も暑さにならしておけば体がうまく反応してくれるようになるはずです。

 

☆暑熱順化(暑さに慣れる)

人間は多少ですが暑さに慣れることができ、これを暑熱順化といいます。暑熱順化により、早く汗が出るようになり、体温の上昇を食い止められるようになります。暑くなる前に身体を熱中症対応モードにして、暑さに強い身体を作りましょう。仕事の内容にもよりますが、5月に入ったら暑熱順化を始めることをおススメします。(すいません、今年は手遅れでした。来年、ぜひとも覚えておいてください!)

ポイントは、汗をかくこと。中断すると4日ほどで徐々に効果が薄まり、3~4週間後には完全に失われるため、長期休暇後などは注意が必要です。

日常生活の中で無理のない範囲で汗をかくようにしてみましょう。数日から2週間ほど続けてみましょう。歩く、自転車、ヨガ、筋トレなどを30分ずつできるだけ毎日行いましょう。入浴やサウナでもいいですよ。

 

5.作業時間の短縮

 

暑さや作業の状況・内容などに応じて、休憩時間をこまめに確保する必要があります。その都度、水分を補給したり、身体を冷却するようにしましょう。 高温多湿場所での連続作業時間の短縮、身体作業強度(代謝率レベル)が高い作業を避けること、状況や時間帯に合わせた作業場所の変更に努めてることも大事です。

 

6.日常の健康管理

 

睡眠不足、体調不良、前日などの飲酒、朝食の未摂取、熱や下痢などによる脱水などは、熱中症の発症に影響を与えるおそれがあります。※生活習慣病・うつ病・不眠症の治療をしている人は薬の作用で心身機能が低下し発汗抑制・脱水症状のリスクがあるため特に注意が必要です

 

7.熱中症アラートの活用


暑さ指数の値が33以上と予測された場合、前日夕方(17時頃)、または当日早朝(5時頃)に都道府県ごとに、テレビ・ラジオ・防災無線・SNSを通じて発信されます。発表内容には、暑さ指数の予測値や予想最高気温の値だけでなく、具体的に取るべき熱中症予防行動も含まれていることが特徴です。夕方に発表された場合、状況次第で翌日の作業の見直しの検討を。

 

〇セルフチェック

 ■予防のためのセルフチェック表

■脱水症セルフチェック方法

 

・手の甲の皮膚をつまみ上げて放し、元に戻るのに2秒以上かかれば脱水が疑われます。

・尿の色がいつもと違って濃いな、と思ったら隠れ脱水かも。気をつけて見るようにしてください。

以下の症状にも注意!☆熱中症が疑われる症状が見られたら、すぐに作業を中止して、119番してください。

 

3,熱中症の応急処置

 

1.涼しい環境に移す  風通しの良い日陰や、クーラーが効いている室内へ。

2.脱衣と冷却  衣類を脱がせ、体内の熱を外に出します。さらに、露出させた皮膚に水をかけ、うちわや扇風機などで仰いだり、氷嚢で首やわきの下、太ももの付け根を冷やし、体温を下げます。

3.水分と塩分を補給する

冷たい水、特に塩分も同時に補える経口補水液やスポーツ飲料などを。ただし、意識障 害がある場合は水分が気道に流れ込む可能性があります。また、吐き気や嘔吐の症状がある場合には、すでに胃腸の動きが鈍っていると考えられるので、口から水分を入れる ことは避けましょう。

 

今回も長くなってしまいましたが、、、熱中症対策はこれからの地球上での生活において欠かせないものとなりますので、参考にしていただき暑い夏を毎年なんとか乗り越えていただければと思います。