従業員 各位
日頃のご精勤に心より感謝申し上げます。
1月度の衛生委員会の資料になります。
1月度のテーマは「冷え症の種類と対策について」です。
皆様に置かれましては、是非とも健康に留意いただき、
業務に努めていただきたいと考えております。
ご安全に!!
2023年1月度
衛生委員会資料
産業医 北村 香奈
冷え症の種類と対策
12月になってびっくりするほど寒い日が続いてますね。体も驚いていませんか?
寒い季節、対策を取らないと体は冷え、いろんな症状につながることも。免疫も低下するのでしっかり対策をとりたいですね。そこで今回は冷え性の種類とそれぞれの対策法をお伝えしたいと思います。
冷え症のタイプは主に4つに分かれるといわれています。手先足先が冷える「四肢末端型」。腰から下が冷える「下半身型」。お腹が冷える「内臓型」。そして、全身が冷える「全身型」です。
※上記の他、各タイプの症状が組み合わさった混合型があります
★四肢末端型
食事の量が少ない、運動不足などの生活習慣により体内の熱量が不足しているため交感神経が過剰に働き、手先や足先が氷のように冷える。10~20代の女性に多い。
★下半身型
主に、腰から下の下半身が冷える。お尻やふくらはぎの筋肉のコリによる血行不良が原因。また下半身型の人の熱容量は普通の人と変わらないため、下半身は血流不足で冷える一方、上半身は血流が多すぎることで熱くなる、いわゆる「冷えのぼせ」という状態になることがある。
★内臓型
体の内部は冷えるが、体の表面は温かいタイプ。副交感神経の働きが強く、交感神経の働きが弱いため、寒くても体表面の血流は減らずに放熱が続くため、体温は下がってしまう。そのため手足は温かいが、おなかや二の腕などの冷えを感じ、腸が冷えるとおなかが張ってくる。
★全身型
体全体が冷えるタイプで、体温は常に低いのが特徴。体質、ストレスや生活習慣の悪化によって、極端な体力低下が原因となって起こる。ただし、甲状腺機能低下症などの病気などが潜んでいる可能性もあるので、医療機関で検査が必要。
自分の冷え症のタイプを知ろう
Q1〜Q5に対し、A~Dのいずれかを選び、それぞれの点数を計算してみましょう。
最も点数が多いものから、タイプを推定できます。Q1は重要な質問なので2点で計算。
Q1.手足の冷えの状態は?
A 手足が常に氷のように冷える
B 足は冷えるが手は温かい
C 腹は冷えるが 手足は触れると温かい
D 人から手足が冷たいと言われる
Q2.汗のかき方は?
A あまりかかない
B 顔や頭など上半身にかきやすい
C 全身にかきやすく冷えやすい
D ほとんどかかない
Q3.食事の量は?
A 少なめ
B 普通
C どちらかというと多め
D どちらかというと少なめ
Q4.寒い所で最も冷えを感じる部位は?
A 手足の指
B 足やふくらはぎ
C 腹や二の腕
D 背中や全身
Q5.冷えと同時に感じる症状は?
A 頭痛や不眠
B 足が冷え顔がほてる
C 腹のガスがたまりやすい
D 体温が常に低く寒気がある
**結果:どの点数が高い?
Aが多い・・・四股末端型の可能性あり
Bが多い・・・下半身型の可能性あり
Cが多い・・・内臓型の可能性あり
Dが多い・・・全身型の可能性あり
Aが多く体温が常に低い・・・全身型
タイプ別冷え症対策
冷え症の4タイプは原因が異なるため、タイプ別の対策が必要です。ツボを刺激して血流を改善するとともに、生活習慣の見直しも大切です。
四肢末端型
手足の先まで血液が循環しないことから、手足に冷えを感じるタイプ。10~20代女性に最も多く、疲労や無理なダイエットが背景にある可能性があります。しもやけや立ちくらみ、ニキビ、月経トラブルが起こりがちです。筋肉量も低下しています。
足先のツボ「八風(はちふう)」のストレッチで、足先の血流改善を狙います。イスに座り、足の甲を持って、手の指を曲げる感じでストレッチします。
ツボの位置:左右の足の指の付け根
伸ばし方:手のひらで足の甲を持つようにして伸ばす。
順序:①3秒~5秒伸ばす。②手を離し、同じ時間休む。③5回ほど繰り返す。
※回数は、1日1~2セットほど。決して伸ばし過ぎないでください。
日常生活でできること
- 体幹を温める・食事をしっかりとる・毎日適度な運動をする
- 夜更かしはしないようにする
- スマホで目を酷使しないよう注意
- プルーン、ナツメ、クコの実などのドライフルーツ、黒豆、黒ゴマ、ひじきなどの黒い食材がおすすめ
首元や肩、おなかなどの体幹をしっかり保温します。体幹で増えた熱を逃がすために末端の血管が拡張し、血流がよくなって冷えが改善されます。熱量を増やすには食事や運動の量を増やす必要があります。
下半身型
気や血のめぐりが悪く、滞った状態で上半身がのぼせて、下半身が冷えるタイプ。顔のほてりで冷えとは気づきにくいため注意が必要です。イライラ、頭痛、顔のほてり、肩こり、肌荒れのほか、月経トラブルや便秘が起こることもあります。
お尻の筋肉のツボ「臀中(でんちゅう)」のツボ押しで血行の改善と冷えの改善を狙います。ソフトボールを使い、ベッドとお尻の間にボールを入れて、体を斜め45度に傾けて押します。
ツボの位置:お尻の真ん中あたり
押し方:体を傾けて体重を使って押す。1回30秒ほどに留める。
※回数は、1日1~2回ほど。決して押しすぎないでください。
ふくらはぎの筋肉の凝りをほぐす
いすに座ります。左膝に右足のふくらはぎを当てて、右足を下から上に向かってゆっくりこすります。ふくらはぎの内側、真ん中、外側と位置をずらしながら、“痛気持(いたきも)ちいい”場所は10回程度こすります。反対側の足も同様に行います。
日常生活でできること
- 下半身(特にふくらはぎ)を使った運動やストレッチをする
- 長時間の座りっぱなしを避ける・座り仕事の人はこまめに立つようにする。
ウォーキングやジョギング等、ふくらはぎの血流をよくする運動を行いましょう。スクワットなども良いですよ。・食事では青魚、野菜、酢などがおすすめ!
内臓型
頭痛や腰痛、肩こり、アレルギーなどの具体的な症状があり、それらの不調の裏に冷えがかかわっているタイプと言えます。
お腹のツボ「中条流子孕(ちゅうじょうりゅうこばら)みの灸点」を携帯カイロなどで温め、内臓に関係する自律神経バランスの改善を狙います。このツボは、古くから「妊活のツボ」として、お灸が行われてきました。ツボの真下には、直腸などの血流を調節する神経があり、効果が期待できるといいます。
ツボの位置:おへそを頂点とした正三角形の角
※1辺の長さは、唇の端から端までの長さです。
ツボの温め方:携帯カイロを直接貼るとやけどの恐れがあるので、
服の上から貼るか、カイロ専用のベルトを使ってください。
カイロで温めましょう
八髎穴(はちりょうけつ)の辺りにカイロを当てて温める。やけど防止のため、懐炉は衣服の上から当て、寝るときはしない。
日常生活でできること
・運動をして自律神経のバランスを整える
交感神経の働きが弱いため、体を動かし自律神経のバランスを整えると血流が調節されます。積極的に運動しましょう!
- 食事としては、とにかく温かい食べ物を食べ、冷食冷飲を避けましょう。
全身型
ストレスの関与も疑われ、全身の循環が悪く新陳代謝が低下しているタイプです。
漢方薬を処方してもらう
体内の熱生産が低下し新陳代謝が低い全身型の対策は体の中から温めるのが基本です。食事や運動、生活習慣などを見直しても改善しない場合は、漢方薬が有効なので、漢方専門医に相談しましょう。
全身の冷え性に効果のある漢方薬として、麻黄附子細辛湯、当帰芍薬散等があります。
その他、体力低下して冷えを感じる方には、十全大補湯、人参養栄湯など。
血行が悪くて冷えるな、という方には、当帰四逆加呉茱萸生姜湯、加味逍遥散など。
まずは漢方医に相談してからが良いと思いますので、試したいな、と思ったら漢方を取り扱っているクリニックを受診してみてくださいね。
生活習慣の改善ポイント
・睡眠を十分にとり、休息する
・軽めの有酸素運動、ウォーキングからスタート
・腹巻き、レッグウォーマー、スカーフは必須
・冷飲・冷食を避け、温かく消化の良いものを腹八分目で食べる
・バランスの良い和食がおすすめ。雑穀、イモ、キノコ、たんぱく質(魚・肉)も忘れずに
・ショウガ、ネギなどの陽性(体を温める性質)食品を積極的にとる
・ストレスが関係してそうな時は、香りの高いレモンやシソ、ミョウガ、ミント、ハーブをうまく取り入れましょう。
以上、冷え性対策、是非ご参考になさって日々の健康維持に取り入れてください。
普段、冷えなど意識しない方でも実は冷えている、ということもあり得ます。(頭痛などの症状に現れるタイプ)
冬は感染対策のためにもぜひ、体を温める、そのための運動、食事、入浴、などを意識なさってください。