2022年2月度 衛生委員会からのお知らせ

従業員 各位

日頃のご精勤に心より感謝申し上げます。

2月度の衛生委員会の資料になります。

2月度のテーマは

花粉症」です。

皆様に置かれましては、是非とも健康に留意いただき、

業務に努めていただきたいと考えております。

ご安全に!!

2022年2月度 

衛生委員会資料

産業医 北村 香奈

コロナの感染状況が気になる日々ですが、やはりこの時期、もう一つ気になることが花粉症です。

毎年同じような情報になってしまうかもしれませんが、改めて、気をつけておきたいことについてお伝えさせていただきます。

 

花粉症は季節性アレルギー鼻炎ともいい、スギやヒノキ、ブタクサなどの植物が季節ごとに放出する花粉が主な原因。特に春先のスギ花粉に悩まされている人は多いと思います。

鼻腔(びくう)や目、ノドから侵入した花粉が粘膜にくっつくと、私たちの体はこれを異物(アレルゲン)として認識して、やっつけるための抗体細胞がつくられます。

抗体はひとたびつくられてしまうと侵入してきたアレルゲンに対して免疫反応を起こし、体外に追い出そうとする。この作用がアレルギー反応として鼻水や鼻づまり、くしゃみなどの症状を引き起こしてしまうのです。

抗体反応を引き起こすアレルゲンの量は人それぞれで、一生アレルギー反応を起こさない幸せな人もいます。けれど花粉症の人はアレルゲンが一定量以上蓄積すると突然抗体が働き出す。花粉症は年齢に関係なくいつでも発症するのです。鼻や口、目からなるべく花粉を体内に取り込まないこと。花粉症対策の基本はそこから始まります。

 

近畿地方のスギ・ヒノキ花粉の飛散量は、大阪と兵庫は例年並み、京都と奈良はやや少ないでしょう。滋賀と和歌山では例年より少ない予想です。 前シーズン(2021年)と比較すると、滋賀は前シーズンと同じくらいでしょう。京都や大阪、兵庫、奈良、和歌山ではやや少ない見込みです。

花粉の飛散量は前年夏の気象条件が大きく影響します。気温が高く、日照時間が多く、雨の少ない夏は花芽が多く形成され、翌春の飛散量が多くなるといわれています。2021年の夏は、7月に東日本太平洋側では梅雨前線の影響で大雨となりました。降水量が多くなり、大規模な土砂災害が発生したところもありました。西日本は上旬を中心に暖かい空気が流れ込んだため、気温は高くなりました。8月は、上旬の中頃までは全国的に太平洋高気圧に覆われて晴れたところが多く、そのあと、本州付近は高気圧の谷間となり前線が停滞したため、東・西日本では雨の日が続きました。西日本では線状降水帯も発生して各地で大雨を記録し、8月の降水量はかなり多くなりました。予測根拠として、日本気象協会ではスギ林での花芽の着花状況の調査も行っています。同じスギ林の中でも着花している木と、それほどでもない木の差が激しい地点もあり、全体的に花芽が大量着花しているとは言えない状況です。

 

ではここからは花粉症対策についてです。

予防対策はとても大事です。ズルズル、かゆいかゆい、になる前に準備してしっかり予防しましょう!

 

マスクの効果は

花粉症対策としてマスクは必須ですね。
マスクを使用することで、吸いこむ花粉の量を約1/3~1/6に減らすことができるといわれており、特に鼻の症状が気になる方に効果的です。

大事なことは顔にフィットするものを選ぶことで、横に隙間ができるとそこから花粉が入ってしまいます。使いやすいマスクは顔にフィットし、息がしやすいもの、衛生面からは使い捨てのものがおすすめです。また、マスクの内側にガーゼを当てること(インナーマスク)で鼻に入る花粉が減少することが分かっています。

 

上手な洋服選び

花粉症対策の第一歩は、まず「花粉を寄せ付けない」こと。
じつは、外出するときの洋服によって、家に持ち込んでしまう花粉の量に違いが出ます。


一般にウールなどの素材は、綿や化学繊維と比べて花粉が付着しやすく、花粉を屋内に持ち込みやすいとされていますので、ナイロンやポリエステルのようなつるっとした生地を選ぶことが賢明です。

また、髪の毛も花粉がつきやすい場所。なるべく髪の毛を小さくまとめるとか帽子をかぶるなど、露出させない工夫が必要です。

上手な換気で、花粉を減らしましょう

1000万個、これが花粉飛散時期に1時間換気した際に、部屋に入ってくる花粉の数、といわれています。(3LDKマンション一戸の場合)すごい数ですよね。
換気のコツは開窓の幅を10cm程度にすることと、レースのカーテンを使用すること。これで侵入する花粉を約1/4に減らすことができるそうです。
一方でコロナ禍では換気は大事ですので、換気時間を短くしたり、こまめな掃除をしたりして、どちらにも気をつかう必要がありますね。花粉症になると鼻や目はハウスダストやほこり、ペットの毛などにも敏感に反応します。掃除をこまめに行い、部屋を清潔に保っておくこともポイント。ただし掃除機をかける時は花粉が舞い散ることも多いのでマスクを付けることも忘れずに。

 

シーズン中、花粉は雨の日以外は必ず飛散します。特によく晴れた日、雨が降った翌日、風の強い日は要注意。一気に飛散量がふえ、花粉が巻き上げられて空気中を漂います。

また、花粉は早朝に開花して花粉を放出し、山間部から徐々に飛散して都市部に流れ込んでくるため、午前中は比較的飛散量が少なく、午後1時頃から夕方までが飛散のピーク時間です。可能であればこの時間の外出は避けたほうが安全です。部屋に入る前に衣服や髪の毛をよくはらい花粉をふり落とし、バッグなどの持ち物の花粉も落としましょう。粘着テープ付きのローラーがあれば、衣服表面の花粉をより効果的に落とすことができます。

部屋をきれいな状態に保つ空気清浄機はいまやウイルス防止の強い味方ですが、花粉対策にも力を発揮してくれます。加湿器を併用して寝室など部屋の空気の乾燥を避けること。乾燥した空気には花粉やほこりが舞いやすく、またノドも乾いて花粉が付着しやすくなってしまいます。

 

目がかゆくなる前に

花粉を寄せ付けない工夫に「メガネ」があります。ある実験では、メガネを使用しない場合に比べて、通常のメガネでも目に入る花粉量はおよそ40%減少し、防御カバーのついた花粉症用のメガネではおよそ65%も減少しました。
また、花粉症の症状があるときのコンタクトレンズには要注意。コンタクトレンズによる刺激がアレルギー性結膜炎を悪くしてしまう事もあるんです。

花粉のシーズン、気分転換も兼ねてメガネをかけてみてはいかがですか?

 

「うがい」を習慣づけましょう

外出から帰ってまず行う花粉対策、おすすめは「うがい」です。花粉時期になるとのどがイガイガする、こんな経験はありませんか?鼻から吸い込んで奥に付着した花粉は、鼻粘膜の線毛の働きでのどの方へと送られます。
コロナ禍で皆さん習慣づいてきているとは思いますが、「家に帰ったらガラガラうがい」の習慣を続けて、のどの花粉を洗い流しましょう。同時に洗顔も行って顔の表面についた花粉を流します。メガネやマスクについた花粉もふき取りましょう。

さらに、多くの人が苦しむのが就寝時。鼻づまりや鼻水が眠りをさえぎります。外出時だけでなく、眠りにつく前に、花粉を鼻で食い止める専用クリームあるいはヴァセリンなどのクリームを鼻腔や鼻のまわりに塗っておくといいですよ。プラスチックバーを鼻につけその反発力で鼻腔を広げ、鼻のとおりをスムーズにするようなものも売っているので利用してみてはいかがでしょうか。鼻づまりや鼻水の苦しみを軽減してくれます。

参考:環境省 花粉症環境保健マニュアル2019年12月改訂版

 

毎年のことですが、かならずやってくる花粉の飛散。花粉症になっている人だけでなく、皆さん予防を意識して重症化や発症を防いでいきましょう。