従業員 各位
日頃のご精勤に心より感謝申し上げます。
9月度の衛生委員会の資料になります。
9月度のテーマは
「免疫力アップための食事」です。
皆様に置かれましては、是非とも健康に留意いただき、
業務に努めていただきたいと考えております。
ご安全に!!
2021年9月度
衛生委員会資料
産業医 北村 香奈
新型コロナ感染の状況が落ち着かない状態が今なお続いています。
新型コロナウィルスに感染しないためにも、まずは、手洗い・消毒・咳エチケット、
3密(密閉空間、密集場所、密接場面)を避けることが大切なのは十分わかっていらっしゃると思います。
ワクチン接種が進み、少し安心できるようになるのか、と思いきや、ワクチン接種が進んでいる海外ではワクチン接種がすすんでも集団免疫獲得は厳しいだろう、ということが言われ出しています(!?汗)
そうなると、もう自分の免疫力を上げてコロナに対抗する体づくりをするしかない!ということで、今回、免疫力アップのためにできることとして、食事内容を中心にお話ししたいと思います。
免疫力アップのための食事
①欠食をしない!
欠食をすると栄養状態が悪くなってしまい、体の免疫力低下や怪我をしたときに治りにくい体になってしまいます。
②ビタミンDを摂取しましょう!
ビタミンDは免疫の調節に重要な役割を果たしています。
体内にウィルスが侵入したときに不要な免疫反応に抵抗し、必要な免疫機能を促す役割があります。
日本人のビタミンD摂取量は令和元年調べの国民健康・栄養調査では6.9(μg/日)でした。
しかし、日本人の食事摂取基準では目安量8.5(μg/日)と現在摂取量が足りていないことがわかります。
VitDを多く含む食材 : 鮭 マグロ 鯖 レバー バター チーズ 卵黄 きのこ など
またビタミンDは日光浴をすることで体内生成することができます。
③タンパク質を積極的に食べましょう!
高齢者では活動量が低下し、食欲が減退することでタンパク質不足になり、フレイル(身体的・精神的な脆弱状態)に陥りやすいとされています。まずは適切なエネルギー量を摂取すること、特にタンパク質を多く摂るように注意しましょう。
タンパク質が不足すると、免疫機能が低下してしまい感染のリスクが増大します。
タンパク質を多く含む食材 : 肉類 魚介類 乳製品 大豆製品 卵
④抵抗力アップのためにいろんなビタミンを!
さらに、免疫力に加え、抵抗力をアップすることも大事です。そのための栄養素として、その他のビタミン軍が重要になってきます。そのビタミンを多く含む食材を詳しく紹介します。
にんじんはビタミンAの宝庫と言われ、体内の粘膜を正常に働かせます。(粘膜はウィルス侵入時の抵抗の場として重要です!)
れんこん、じゃがいも、ブロッコリーに多く含まれるビタミンCは白血球の働きを強化し、免疫力を高めます。
ブロッコリーに含まれるビタミンEには血行促進効果があり、また、ビタミンEはビタミンCと一緒にとることで活性酸素を抑制する抗酸化作用が高まるので、癌などを発症しないためにも重要です。
ごぼう、れんこん、ブロッコリーの食物繊維には、感染症などに対する抵抗力をつける成分が含まれます。
ニンニク、玉ねぎ、長ネギに多く含まれる硫化アリルは一部が体内でアリシンという成分に変化し免疫力を高める効果があります。ビタミンB1、B2の吸収力アップ効果もあるアリシンですが、B1は体内の糖質の分解を促進させ(糖尿病の基礎疾患はがある方はコロナ感染後重症化しやすいので、糖の分解を促進させることは大事です)、B2は代謝を促進して細胞の活性化を促す作用があるので一緒に摂ることで免疫力、抵抗力アップになります。疲労回復効果の高いアリシンは栄養ドリンクによく含まれていますが、野菜から取る方が効果は高いです。
かぼちゃは、三大抗酸化ビタミンと呼ばれるビタミンE、βカロチン、ビタミンCが豊富に含まれます。βカロチンは粘膜系の正常化や免疫力向上、目の疲労を癒す働きがあります。
(私たちは酸素を取り入れてエネルギーをつくりますが、その過程で一部の酸素が酸化力の強い“活性酸素”に変化します。この活性酸素が増え過ぎると、血管や細胞を傷つけ、体の内側を酸化(=サビる)させ、動脈硬化などを引き起こし、生活習慣病を招きます。「活性酸素を抑える働き=抗酸化作用」が、アンチエイジングには不可欠です。コロナウィルス対策としても血管に負担をかけないで丈夫に維持することは重症化予防として大事です)
免疫アップに大事な栄養についてご理解いただけたでしょうか。
プラス、免疫アップには、適度な運動、睡眠の確保も大事です。
緊急事態宣言が出され、なかなか動けないかもしれませんが、スクワットでもいいですし、人混みでないところを散歩(できればやや早く歩く3分、ゆっくり歩く3分を繰り返すインターバル速歩を行ってみてください)など、工夫すれば運動することは可能と思います。
また、仕事と休養のメリハリをつけて、睡眠を確実にとるようにもお気をつけください。
まだ先が見えない新型コロナの感染状況ですが、自分の体はまず自分が守る、という思いで、食事、運動、睡眠を意識して免疫力アップを心がけてください。