2020年10月度 衛生委員会からのお知らせ

従業員 各位

日頃のご精勤に心より感謝申し上げます。
10月度の衛生委員会の資料になります。
10月度のテーマは「コロナ渦での精神状態への影響について」です。
皆様に置かれましては、是非とも健康に留意いただき、
業務に努めていただきたいと考えております。

ご安全に!!

令和2年10月度 

衛生委員会資料 

産業医 北村 香奈

 

今月は、改めて、コロナ禍での精神状態への影響を取り上げたいと思っています。

以前にもコロナ禍におけるメンタルダウンを予防しましょうという

お話をさせていただいたかと思いますが、ここに来て、コロナうつが増えているのです。

緊急事態宣言が出されているときは、

みんな一緒にコロナという敵と戦おうという気持ちでいたと思うのですが、

今はその状態が慢性化し、先も見えない中、疲労が溜まってきているのです。

うつ病も、ストレスを浴びているその時よりも、慢性化したとき、

少し力が抜けた時に起こりやすいと言われていますので、まさにそういう時期が今かと思います。

もう一度、コロナ禍での精神状態について理解していただき、

抑うつ状態になることを予防していただければと思います。

 

 

コロナうつとは何なのか、なぜ生じているのか

理解するうえで参考になるのが、適応障害という診断基準です。

適応障害は、ストレッサー(ストレス反応を惹起させうる刺激)の

影響を受け自律神経系(交感神経、副交感神経のバランス)が

乱れることによって生じる心と身体の反応を指します。

症状としては以下のようなものが代表的です。

 

精神症状(心の反応

・気分が鬱々とする

・気分が落ち込む

・やる気が出ない

・無気力

・楽しめない

・仕事に行きたくない、学校に行きたくない

・人に会いたくない、外出したくない、引きこもり

・集中できない、物忘れが増える

・不安

・イライラ

・涙が出てしまう

身体症状(身体の反応=体調不良)

・眠れない(不眠)

・寝すぎてしまう(過眠)

・食べられない(食欲不振)

・食べ過ぎてしまう(過食)

・頭痛

・腹痛、下痢、便秘

・胃痛

・微熱、発熱

・倦怠感

・動悸、息苦しい

・胸が苦しい、胸が痛い

・めまい

・耳鳴り

・蕁麻疹など

 

このような症状はストレッサーという要因によって引き起こされている反応ですので、

治療、対策・対処・解消法としてはストレッサーへの対処

=ストレッサーから適切な距離を取るための環境調整が必要となります。

 

例えば、

・社会人で仕事がストレッサーの場合…

 業務軽減、休職、部署異動、転職、退職など

・中学生、高校生、大学生などで学校がストレッサーの場合…

 学校をお休みしてみる(不登校や休校)、参加できそうな活動から参加してみるなど

・育児がストレッサーの場合…

 保育園に子どもを預ける、子育てサービスを活用する、実家に帰省する、両親に子どもを見てもらう

 

環境調整以外に、自分でストレス解消法を身につけることも大事です。

環境調整はストレス解消法の中でも問題解決型と言われるものです。

その他に、情動焦点型、気ばらし型があります。

情動焦点型は自分の気持ちをコントロールする方法ですが、

抑え込もうとするとうつ状態に陥りますので、

信頼できる人に気持ちを共有してもらう方法が良いと思います。

気晴らし型はストレス解消につながる自分が楽しいと思える活動を

することで言葉通り気分を明るくさせる方法です。

当たり前のことを言っているようですが、実はコロナ禍で、

みなさん、緊張が高い状態にいらっしゃり、

楽しめない楽しんでられないという気分になっていることが多いのです。

あえて、少しは楽しもう、別のこと考えよう、

しんどいときは友人と話してみよう、としてください。

 

今は誰がうつ状態に陥ってもおかしくない状況です。

心や体の状態がいつもと違うな、おかしいな、と思ったら

早めに専門家に相談することも考えてくださいね。