2020年8月度 衛生委員会からのお知らせ

従業員 各位

日頃のご精勤に心より感謝申し上げます。
8月度の衛生委員会の資料になります。

8月度のテーマは「ぎっくり背中について」です。

皆様に置かれましては、是非とも健康に留意いただき、
業務に努めていただきたいと考えております。

ご安全に!!

令和2年8月度 

衛生委員会資料 

産業医 北村 香奈

 

ぎっくり背中、ご存知ですか?

 

ぎっくり背中、ご存知ですか?実は今、ぎっくり背中になってしまう人が増えています。

「急に背中に激痛を感じて、動くことができない」
「背中を刺されたような痛みが走り、息を吸うとさらに痛む」

このような症状に心当たりがあれば、「ぎっくり背中」を疑いましょう。

(同様の症状で、心筋梗塞もあり得ますので、その可能性も忘れないでください)

発症直後は、なによりもまず患部をしっかり冷やしましょう。

タオルを巻いた保冷剤を患部に当てたり、冷湿布を貼るなどして安静にします。

休むときは「横向きで膝を曲げて背中を軽く丸めた姿勢」が、オススメです。

しかし、あまり長く安静にしていると回復を遅らせてしまう場合があるので、

安静期間は長くても3日程度(痛みが激しい場合はこの限りではありません)にします。

炎症がおさまりある程度痛みがひいてきて身体が動かせるようであれば、

今度は患部を温めて血行をよくし、固まった筋肉をほぐすためにゆっくりと少しずつ背中を伸ばしましょう。


この痛みは背中の筋肉や、筋肉を包み込んでいる筋膜という組織が破れてしまうことで起こります

いわゆる「肉離れ」のような状態で、縮こまった筋肉が急に引き伸ばされたときや、

こり固まった筋肉に急激な力が加わったときなどに発生しやすいのが特徴です。

痛みの強さは場合によってさまざまで、軽い寝違え程度の痛みから、

重度のものだとその場から動けなくなるほどの痛みが生じることも。
何の前触れもなく症状が突然表れることがほとんどなので、

日頃からしっかりと対策しておくことが重要です。

 

ほとんど前触れ無く起こるぎっくり背中ですが、

実は大きく分けて3つの原因があります。

 

⦅筋肉の凝り固まり⦆

長時間におよぶデスクワークや立ち仕事など、

同じ姿勢を長く続けていると、次第に肩や背中の筋肉がこり固まってきてしまいます。

このとき意識に反して上半身を急に動かしたり、

くしゃみなどで予想を超えた力が背中に加わると、

固まった筋肉が急激に引き伸ばされて筋肉の繊維や筋膜が裂けて、

急激な痛みとして表れるのです。

 

⦅運動不足⦆

運動不足により固くなった筋肉も、ぎっくり背中の原因となります。

筋肉とはそもそもゴムのような性質をもっていて、

引っ張ると同時に元に戻ろうという力が働きます。

しかし、古くなった輪ゴムがすぐに切れてしまうように、

運動不足で柔軟性を失った筋肉は急な動きに耐えきれず、軽微な力で傷付いてしまうのです。

⦅姿勢の悪さ⦆

私たちの身体は重たい頭からの衝撃を吸収し、

バランス良く支えるために、緩いS字カーブを描く形で背骨が連なっています。

しかし、猫背などの不良姿勢ではこのバランスが崩れ、

首から背中の筋肉にかなりの負担がかかってしまうのです。

 

ぎっくり背中を防止するために

ぎっくり背中は1度完治しても再発する確率がとても高いため、

根本となる原因を改善して対策・予防することが重要です。

再発防止のためのポイントを3つご紹介します。

 

⦅姿勢の改善⦆

正しい姿勢を保つことで骨格を支える筋肉への負担がやわらぎ、

ぎっくり背中の原因の1つでもある「筋肉の疲労」を防ぐことができます。


⦅適度な運動⦆

運動不足の状態が続くとどうしても筋肉が固くなり、

背中以外にもさまざまな箇所で肉離れのような症状を引き起こす可能性が高くなってしまいます。
少し疲労を感じる程度の運動で十分なので、できる限り毎日運動をする習慣を付けましょう。

 

ストレッチの例

  1. 足を肩幅に開いて立ち、背筋を伸ばします。
  2. 背中側で両手の指を組み、手のひらを上に向けます。
  3. 肘を伸ばし、肩甲骨を寄せるイメージで両肩を背中へ引き寄せます。
  4. そのまま手を引き上げて、痛くないギリギリのところで10秒キープ。
  5. ゆっくりと元に戻します。

同じ動作を2~3回繰り返します。

1時間に1度は休憩がてらこのストレッチをなさることをお勧めします。

 

⦅体を冷やさない⦆

ぎっくり背中を引き起こす人は比較的、肌寒い時期に増える傾向があります。

就寝中に冷えてしまったり、日中寒さを感じたりすると、

身体は体温を高めようとして筋肉を無意識に収縮させます。
縮こまった筋肉を不意に伸ばしたり衝撃を与えてしまうことが、

ぎっくり背中を引き起こすきっかけとなってしまうのです。

 

 

まとめ

突然急激な痛みが背中に走る、ぎっくり背中。
その痛みの原因は、柔軟性を失った筋肉が急に引き伸ばされたことによる、

筋肉や筋膜の損傷です。不意に、違う体勢になる、が危険ポイント!

常日頃から筋肉の柔軟性を保つために、適度な運動、

ストレッチを心がけて予防していただければと思います。